コエンザイムが良い感じ

もうひとつ踏み込んで、まだあまり知られていないコエンザイムQ l0の広範な適応について紹介します。最初にコエンザイムQ lOを医学的にどう位置づけるか、基本的な考え方を解説します。コエンザイムQ lOをさらに積極的に使用するために、ぜひ理解しておく必要があります。その後、米国をはじめ各国で認められた機能を私どもの考え方に則して整理し、紹介します。その中にはまだ充分な医学的根拠が得られていないながらも薬理学的には期待が持てる、というものも含まれています。したがって、安全性の高いコエンザイムQ lOではありますが、使用にあたってはあくまでご自分が納得し、了解した上で使用してください。弔「人間」を見落とした西洋医学身近なことから始めてみましょう。いま、街の薬局を覗くと、たくさんの種類のサプリメントが並んでいます。それだけ愛用者も多いのでしょう。事実、この分野は産業としも隆盛を極めているようです。また、がんの患者さんの多くが、医師に隠れて何種類もの健康食品を摂っています。この本のテーマであるコエンザイムQlOもその仲間でもあり、このことの是非はひとまずおくことにしましょう。ここで注目したいのは、こうしたサプリメントや健康食品ブームの背景にある、人びとの医療への不信感です。この傾向は日本だけのことではありません。現代医学に不信感をもち、伝統医療などに可能性を求める傾向は世界的なものです。WHO(世界保健機関)も、こうしCσ 10もっと知りたい「コエンザイムQ10」た医療の流れを支持しています。それはなにを意味しているでしょうか。現代医学すなわち西洋医学では、病気を臓器や細胞、さらに遺伝子の問題として捉え、自然科学の手法で分析し、これをもとに治療法を組み立てます。したがって、おおまかに言えば、Aという病名の病気は誰が患っても、同じAという病気で、治療法も基本的に同一になります。こうした医療を「普遍性の医療」と呼びます。「普遍性の医療」は効率的であるため、急激に発展しましたが、 一方で「病をもった人間」としての患者さんが忘れられる、という問題を露呈してきました。これに対して、たとえば伝統的東洋医学では、まず患者さん1人ひとり、そのときそのときの体調を的確に把握します。これを「証(しょヽ2」といい、証によって治療法を選択します。病気は同じでも、その人の体質や状態によって治療法も違ってきます。西洋医学の「普遍性」に対して、これを「個別性の医療」と呼びます。しかし、このふたつは、どちらが正しくて、どちらが間違っているという問題ではありません